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耳垢について(日本テレビ系列「ニュース朝いち」出演の際の内容です)
耳垢は古くなった外耳道皮膚がフケのようにはがれてきたものと、脂分や粘液などの外耳皮膚からの分泌物、
外部からのほこりなどでできています。 日本人の6割は
外耳皮膚からの分泌物が少ないため、乾燥した耳垢の
かたが多いようです。
欧米人の耳に詳しい茅ヶ崎中央病院の坂井真院長先生に
よりますと、欧米人は逆にこの分泌物が多く、いわゆる
「アメ耳」といわれる、べたつく耳垢の人が
6割だそうで、そのため耳かきで掃除する習慣はないそうです。
耳垢はあまり奥から取ろうとしなくて大丈夫です。それは、
- 耳の皮膚は、鼓膜から外へ向かって新陳代謝していくので、奥から外に古い皮膚が
移動してくる特徴があります。そのためたいていの異物や耳垢は自然に外へ出て来る
からです。 - また脂分や粘液は、外耳道皮膚の最も外側1センチからしか分泌されないので、
べたつく耳垢は奥からは出てこないからです。
よく赤ちゃんの耳垢が奥にたまっていないか、またまっ黄色なべたつく耳垢で心配なさる
お母さまがいらっしゃいますが、(1)(2)の理由で奥にはあまりたまりませんし、まっ黄色な
ものは脂分で、膿ではありませんので、外から見えているものを取ってあげれば大丈夫です
(黄色い液状の耳だれの場合は、耳鼻科受診してください)。
外耳道湿疹、アレルギー性皮膚炎があるかたは、外耳道の奥からも耳垢・かさぶたが多く
出ますので、耳がじくじくして湿っていたり、かゆみのあるかたは耳鼻科受診なさってください。
また最近は耳かきに色々な製品が販売されており、それぞれに趣向が凝らされています。
この「耳かき評論」については[こちら]をどうぞ。
以上から、大人もじょうずに耳掃除する
には、
- ベビー綿棒、赤ちゃん綿棒といわれるような、細い綿棒を使い
- 時にはこれに市販の抗生剤軟膏をトリモチのように少しつけて
- 外耳道の周りに触れないように1センチちょっと挿入し
- 周りをぬぐうように綿棒を引き出してくる……。
とするのがよろしいのではないでしょうか。